人生の二度目、父親との再会
オカンから飛び出した言葉とは・・・・・・・
「そんなに困っているんやったら父親に電話したらええやん」
僕は一瞬耳を疑って、
「んんん???」と考えていると、
「あなた達(姉も含めて)をほったらかしにしてるんやからそれぐらい親として当然よ」とのこと、
僕は複雑な気持ちになりましたが、
藁にもすがる思いで父親の携帯番号を聞きました。
早速、父親に電話して「事業を拡大したいから一度会ってほしい」と言いました。
余談ですが、
父親の記憶は3歳ごろに家の前で抱きしめられたのが最後の記憶で、
次に会ったのが、20歳のときに拘置所に面会に来た時です。
その時は正直「なんやこいつは、なんで今更父親面してんねん」と反発し、
何をしゃべったか覚えていません。会った場所も場所なんで印象としては最悪のでした。
そんな最悪の印象をもっての再会ですから、
かなり足が重かったのですが、それでも移転はあきらめられなかったので、
再会に反対する姉を何とか説得しての実行となりました。
そしてついに再会の当日となり、
近所の喫茶店で会うことになりました。
喫茶店に入るとすでに父親は座っていて僕は直感でその人が父親とわかりました。
軽く挨拶をすると、向こうから話し始めてきて、
「おーーーずいぶんと大きくなったなぁ、元気にしているか?」と言われ、
僕は「はい」としか答えることが出来ませんでした。
するとカバンから二枚写真を出してきて、
「これが環の小さい時の写真、こっちが一輝だ」と説明を受け、
なぜか僕たちの名前の由来やなぜ離婚したかなどを話し出したのです。